●おばけ屋敷について●

そういえば実家のおばけ屋敷について、
まだお話しておりませんでした。




樋口の実家は、伊勢神宮にほど近い山中に作られた
団地の中にあります。 木造の建売り。
両親は、念願の広い住まいをゲットできたことに喜んでいましたが、
どっこい。


そこには先客がいたのです。


引越して間もなくのこと。
ある晩、台所で夕飯を食べていたら、上から何か物音が。
どんな音だったかは覚えていないのですが、母が、
「屋根裏に猫でもおるんちゃうやろか？」
とか言ってた覚えがあります。
(や、猫が屋根裏におるてどんな旧家やねん(笑)と)

で、しばらくはそのまま放っておいたのですが。

二階の謎の物音にとどまらず、
誰もいないのに階段を昇る音が聞こえたりとか、
ふすまが自然にガタガタ鳴り出したりとか、
夜中にこたつがギシギシ鳴り出したりといった、
いわゆる霊現象(?)が続くようになったのです。


それでとうとうある日。
オカンがついに霊媒師さんを呼んだのです。

ちょっとこの家診てくださいと。

そしたら、


「地縛霊がおりますから今すぐ立ち退きなさい」


と、言われてしまったのです。


すごく覚えてます。
その日、私は「うちのタマ知りませんか」のトレーナーを着てました。
で、その霊媒師さんにお払い(?)してもらったんです。
彼女(←おばあさんでした)はしばらく何やら唱えながら、
私の腹をさするようにしてマッサージしていました。
胃と腸の間あたり。
ちょうどタマの顔の部分を、ひたすら擦っていたのをすごく覚えています。
で、しばらく擦られていたら、なんか気持ち悪くなってきちゃって。
オエッてなったところでお払いは終了。

すげぇ、これでアタシの中から悪いものが出てったのか！？
とか、勝手にそう思って感動しました。

しかし冷静に考えると。
むやみに胃腸を擦られれば誰だって気持ち悪くなるのではないかと(笑)
思うのですが、どうなんでしょう。


はい、それで。

すぐに立ち退きなさいとか言われて、もう私はガクブルでした。
早くここを出ないと死んじゃうよ！くらいの勢いで。
オカンに、今すぐ出よう！とすがりつきました。

ところがオカン。


「家買うたばっかやのに！そんなもんに負けるわけにはイカン！！負けへんで！」



人生終わったと思いました。
あぁ、このまま私は地縛霊の餌食になって死ぬんだと。
てゆーかこの人（オカン）、家族よりも家が大事なんや...orz と。

↑小学校低学年でしたから、本気でそう思ったんです。
あの映画「ポルターガイスト」に出てくる一家のような末路をたどるのだと、
本気で思ってたんです。


笑えますよね！


でも、人間の慣れって凄いですよね。
その後、ビクビクしながらも結局、何事もなく何年かが過ぎていき。
気付いたら樋口は高校生。
相変わらず階段昇る音やふすまはガタガタいってましたが、
まっっったく気にならなくなったんですよね。
「あぁまたか」ですよ。


今は正直、オバケについては、信じる3％・信じない97％な感じです。
これはもう「信じてない」の部類に入りますね。
じゃぁ、あの音はなんだったのかと。
考えてみましたが、わかりません（アッサリ）
気のせいだったのでは？なんて、思うこともあります。

でも、もしほんとに地縛霊さんがいたとしたら、
不憫な話ですよね。
「ここは俺らの土地やねん出て行け！」
って言うてんのに
「あぁまたか」と、一蹴されてしまう。


やる気なくしますよね。


そのせいなのかどうなのか。

今では物音ひとつしません。
もしくは、私達の感覚がすでに麻痺しきってるのかもしれません（笑）







ハ。


ここまで書いておいて、
オトンが出てきていないことに気がつきました。


当時のオトン曰く。

「オバケはな。おると思たらおるし。おらへんと思たらおらへんねや」

テレビ観て屁ェこきながらよく言ってました。