●カラムとセフィー●

昨日、文学座の舞台を観に行って参りました。

イサンで共演させて頂いた、
『渋谷はるか』さん（ウォンビン役）出演の舞台です。



『カラムとセフィーの物語』

◉あらすじ◉　↓以下コピペ

肌の色の黒いクロス人が支配し、肌の色の白いノート人が支配される地域。
クロスとノートの間にはあらゆることで差別が生じていた。
ここに１つの愛が生まれた。
クロスの少女セフィーとノートの少年カラムの間に・・・。
大きな障壁をこの愛は乗り越えられるだろうか。




↑簡単に言うと、ロミオとジュリエットですね。
またはウエストサイドストーリー。


この作品の原題は『Noughts and Crosses』（ノーツ＆クロセス）
あの、○と×を五目のように並べ合うゲームのことです。
このゲームは、両者が真正面から真剣に向き合うと勝負がつかない。
そんな「どうすることもできない」というもどかしさ...と言うとちょっと違うか。
歯痒さ？やるせなさ？残酷さ？　んー...そういうものが混じり合った...
一つの言葉ではなんとも表現しきれないものが
この作品の中には漂っていました。


劇中は、カラムとセフィーのモノローグが中心で進んでいきます。
モノローグからセリフへ、セリフからモノローグへ。
その流れの速さにビックリ！それだけでなく、転換も速い速い！
ものすごくスピーディーに、かつエネルギッシュに物語が展開。
内容が暗いのにエネルギッシュ。
もう私のハートわしづかみまくりですよ。

中でも一番わしづかみにされたのは、やはり渋谷さんの芝居です。
てゆーか、スタジオでご一緒した時からすでにわしづかまれていたわけですが、
この方、呼吸がすごいんですよ。
や、過呼吸とかじゃなくて。
その役としての呼吸をしてるんです。その役になっちゃってる。
「あ、（役が）降りてきてるんだな」っていう。
その人が（役が）ほんとに今そこにいて、そこで生きてるんだな、っていう。

だ　か　ら　嘘　が　な　い　。

私が惹かれるのは、まさにそこなんだと思います。
役者と役との間に距離を感じさせない。
だから、観ている側は物語の世界に自然に入れる。

渋谷さんの相手役・『亀田佳明さん』（カラム役）も、
そういう距離を感じさせない方でした。
渋谷さんと同じく、つい目で追ってしまう。
この方も、役を降ろすタイプの方なんだなぁ....
なんて観ていたのですが。
どっこい。とある対談（←渋谷さんと亀田さんの）を読みましたらば、
「役との距離は常にあって、自身はいつも冷静」なのだとか。
えー、そんなの全然分かんなかったー（笑）
お二人とも、タイプは違うのにあの一体感はこれいかに！？
まさにプロフェッショナルのなせる技ですね



嘘の無い芝居。
や、芝居だから嘘なんだけど、嘘をほんとに変える。
それが、私たち役者のお仕事なのかもしれませんね。







この「カラムとセフィーの物語」。
今月の14日まで、信濃町の文学座アトリエにて公演されております！
興味を持たれた方は是非！！

以下、文学座さんのHPです。
左側の「公演詳細＆チケット」をレッツクリック。
タイムテーブルやチケ購入方法がチェックできます。

http://www.bungakuza.com/atelier60/index2.html




渋谷さんにこっそり紫のバラを送りつけたい、樋口なのでした。